英語を使ったセラピー

2021年04月25日 04:01

この4月に入学してきた小学部1年生に、保護者がアメリカ人のお子さんがいます。給食時の支援を中心に関わる機会があるのですが、いろいろと考えさせられることがあります。まず、家庭環境なのですが、お母さんは英語しか話せず(お父さんは日本語も話せるらしい)、家庭では専ら英語だけで生活しているということです。つまり、このお子さんも日常的に英語漬けの生活を送っているのです。しかし、このお子さんによくよく接してみると、言語発達レベル的に英語も十分に理解できていないのではないか?と思われるふしが見られました。そこで問題なのは、学校生活において、英語と日本語のどちらを使っていくか?ということでした。家庭でどの程度の英単語や英文を使っているのか、十分なアセスメントを行なっていないので、ここまで本当に手探りで進めてきましたが、結論的には「指示は英語中心に出すものの、ジェスチャーなどの視覚プロンプトを大いに併用する」というものでした。例えば、「こっちに来て」という場合には、「Come here」と言いながら手招きする、椅子に座ってほしい時には、「Sit down」と言いながら座面を指差すなどです。こういうやり方が最も指示が通りやすかったのです。学校生活においては様々な指示が出されるので、まずはその指示に素直に従ってもらう、いわゆる「コンプライアンスの確立」が最優先課題になり得ます。それには「簡潔明瞭な指示」(英語では「clear instructions」というらしいのですが…)が大切だということは、万国共通のようです。そして、言葉だけでの指示が通りにくければ、プロンプトを併用することも共通でした。このお子さんはこれからずっと日本で生活していくそうなので、少しずつ日本語も覚えていってもらいたいと思っています。そのためには、徐々に英語による指示に日本語を「対提示」(pairing)していく必要もあるでしょう。いずれにしても、英語でごちゃごちゃ言う必要がないことがわかって、英語力に乏しい自分としては、少しホッと胸を撫で下ろすことができました。ただ、なんといっても、英語による褒め言葉(compliment)に乏しく、その充実が喫緊の課題ではあります。

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